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ボーイハントX 「誘拐」 (2)
作:michi
「薬が強過ぎたかしら?・・・・まさか死んではいないでしょうねえ・・・・・。」里佳子は心配しながら陽介の寝顔を覗き込んだ。此処は彼女の部屋の中である。誘い込まれ、クロロホルムを染み込ませたクッションを顔面に押し込まれて以来、陽介は眠ったままだった。
「眠ったフリをしてるのかも・・・。」里佳子はそうっと陽介の鼻をつまんでみた。
「ん、ふ、ふが・・・・。」少ししかめっ面をしたが、里佳子が指を離すとまたもとの顔に戻った。相変わらず幸せそうに寝息を立てている。
「さて・・・と。」予想外にこの状態は長引くと里佳子は確信した。すぐに憎き姫宮泰三が呼び出され、彼の慌てふためく様子が拝めると思ったのだが・・・・・。
「あんたの父さんって・・・・・実の息子にも薄情なのかも・・・。」里佳子は溜息をつきながら陽介を眺めた。まだ成長期に入ったばかりの小柄な体、色白でかなり可愛い顔つきをしてる。何も苦労の無い、育ちの良さがそうさせてるのだろう・・・・。
「さて・・・長期戦となるなら、対策を練らねば・・・。」里佳子は腕を組んで考え込んだ。少々勘の鈍い警察の事だ、泰三に事件を知らせるのも相当てこずるだろう。その間、陽介をここに閉じ込めておかなければならない。自分がずっと見張っていれば問題無いだろうが、そういう訳にもいかない。動けないように手足を縛り、声を出せないように猿ぐつわも要る。食事は自分が戻ってきた時に与えればいいだろう・・・だが、一番の問題は排泄だ。里佳子がいない時は陽介はトイレに行けないのだ。
「シーツは自腹だからね・・・・汚されたく無いな・・・・。」もし垂れ流し状態だったら洗濯する時に怪しまれるだろう。赤ん坊みたいにオムツを・・・いやいや、それではあまりにも可哀想だ。
「そうだわ。」ポンと手を叩き、里佳子は個室に備え付けのバスルームを見た。浴槽内に転がしておけば、漏らしたとしても洗い流せば済む。
「今の内にシュミレーションした方が良いわね。」里佳子はウキウキした表情で先程スーパーで購入した麻縄を手に取った。
「よいしょっと・・・・。」先ずは陽介に厚手のセーターを着せ、袖の上から彼の手首に麻縄を巻きつけた。これでセーターの袖の生地がクッションとなりうっ血が防げるだろう。足首の紐を解かれたり猿ぐつわを外せないようにする為、後ろ手に縛りあげた。
「次は足ね・・・・その前に。」里佳子は陽介のズボンとパンツを剥ぎ取った。排泄の際こうしておけば、洗濯の手間も省けるからだ。ホワイトアスパラのようなペニスとつるんとしたお尻が露わになった。
「う、う〜ん・・・。」こうされても陽介が起きる気配は無かった。
「呑気なコね。」里佳子はクスッと笑った。陽介の両足には、これまた厚手の靴下を履かせ、その生地のクッションを効かせながら足首を縛った。
「次は・・・・。」ハンカチと手拭いを手に取り、拘束された陽介に向き直った。口の中に詰め物をしないと容易に声を出せるという事を里佳子は知っていた。水で適当にハンカチを湿らせ陽介の口に持っていった。自分の父は大口を開けて鼾をかいて寝ていたが、この少年は実にお上品である。口はピッタリと閉じ、鼻孔から寝息が溢れていた。
「さすがにコレは起きちゃうかな・・・・?」里佳子は愛くるしく蠢いてる陽介の両鼻翼をつまみ上げた。
「う、う、うう、うう〜ん・・・・。」今度は長時間である。
「ん、んっ、んんっ・・・・・・・・・ぷはっ。」堪らず陽介の口が開いた。すかさず里佳子は湿らせたハンカチを彼の口に詰め込んだ。
「んぐ、むぐ、んふふふ・・・・。」ご馳走を食べてる夢でも見てるのだろうか、陽介は起きる事無く、その表情は少し笑っているかの様に感じられた。里佳子はハンカチを吐きだせないように手拭いを噛ませ、後頭部できつく結んだ。
「これでよし。」里佳子は立ち上がり、改めて緊縛された陽介を眺めた。・・・・まるでハンターが獲物をしとめた時の様な感覚だった。目の前の少年は手足を縛られ、猿ぐつわを噛まされ、里佳子のベッドに転がされている・・・・ブカブカのセーターの裾から剥き出しの下半身が伸び、すらりと伸びた足の先には毛糸で編んだ靴下を履かされている。
「まるでピーナッツの皮を真ん中だけ剥いたみたい。目を覚ましたら・・・さぞかしビックリするでしょうね。」クスクス笑いながら里佳子は陽介の隣に寝転んだ。明日の朝は冷たい浴槽の中だ。今晩ばかりはベッドでいいだろう。備え付けのベッドは2人寝ても十分な広さだった。耳を澄ますと警察達の動き回る音が聞こえる。
「んふふふ・・・・・。」里佳子は明日の騒動の予感に期待しながら、深い眠りについた。
「ンム〜ッ!ムム〜ッ、ムグウ〜ッ!」呻き声とバタバタ暴れる振動で里佳子は目を覚ました。
「あら?もうこんな時間・・・・おはようございます坊ちゃま。」陽介は何がなんだか訳が分からず必死にもがいていた。
「ムグウッ!ウグググ・・・・・。」懸命に首を横に振っている。猿ぐつわを振りほどこうとしているのだろう。
「ふふ、無駄ですよ。しっかり結んでありますから・・・・。」里佳子は今までの経緯を説明しようと思ったが、時計はもう7時を回っていた。急いで仕度をして出ないと朝のミーティングに遅刻してしまう。
「お昼に一旦戻りますので・・・・話はその時に・・・・。」陽介のもがきが止まった。どうやら自分をこの格好にした犯人は里佳子である事をやっと理解したようだ。
「場所を移動しますね。」そう言って里佳子は身動きの取れない陽介を抱えた。小学生とはいえ、非力な里佳子には結構な労働である。
「うんっ、うんっ・・・・・。」何とか陽介の体をバスルームの浴槽の中に押し入れた。
「ムグウウウウ・・・・・・。」里佳子の仕業だと分かっていても何故自分がこんな目に遭うのか理解出来ない・・・・陽介は目を白黒させながら、事の成り行きを見守る他無かった。
「暫く此処に居て下さいね。」里佳子は軽く笑うとバスルームのドアを閉めた。個室は防音対策も完璧な為、少々暴れても音は漏れないだろう。一通り作業を終えてから、仕事着に着替えた里佳子は急いでロビーへと走って行った。
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