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少女地獄〜女の園に閉じ込められた少年
(1) 作:編髪(あみ)
一、暗闇から
ここは、東京都内の若い女性が特に多いという盛り場のはずれにある華やかな建物の
一室である。時は日の出の頃、部屋はほとんど暗闇の中でゆっくりと目ざましととも
に起床するひとりの若者がいた。
枕元のそばにあった電気スタンドの薄い灯りをつけて起き上がるとすぐ、バス・トイ
レ付の洗面所に入っていった。女物のネグリジェを着ており、髪形も左右の肩にか
かっている髪の毛をそれぞれ耳元に黒いゴムでしばっている、十代前後の女の子に多
いいわゆるお下げ髪の姿である。洋式トイレに座るためにネグリジェを少し脱ぎ、中
からガードルやパンティーも出てきている。ところが、その中からは立派にも男の性
器が…、女の子の姿をしている若者は実は男だったのである。
彼の本名は真男(まさお)といって、前の年にある公立高校を卒業した十九歳だっ
た。朝の小便をすませる。たとえ小便でもふつうの男のように立ち小便ではやらな
い。女の子のように便座に座ってすませる。もちろん、着ているものがすべて女もの
なのであるから事実立ち小便はできないが、終わらせるとウォッシュレット・ペー
パーで一滴足りずとも性器を吹きとってそれからゆっくりと水を流している。
小便をすませると、洗面器の前に立って顔を洗い、次に洗面台の上にある鏡、それも
立派な三面鏡を見ながら髪の毛をとかし始める。お下げにしていた髪の毛をいったん
ほどいてこれも女ものの櫛で念入りにブラッシングしている。真男の髪の毛は両方の
肩を覆うほど長くなっている。ブラッシングを終えると女ものの香水をつけ、またて
いねいにブラッシングした後、寝ている時にも髪の毛をそろえるためにさしていた何
本かのピンを再びさして、また黒のゴムでゆわえて元のお下げ髪に戻す。ゴムはもと
もと輪になっていたものではなく、太めの一本のものをちょうちょ結びにしたものな
ので、結んだ先が黒いリボンのようにも見える。男の子でありながら、姿もしぐさも
ほとんど女の子のようになっている真男である。前髪もいっさい切っておらず、髪の
毛のボリュームも女性なみにたっぷりありそうである。
いわゆる、「おかま」ではあるが、世間でいわれているタイプのものとは少し異な
る。事実、真男は心はいちおう好きになって思い続けている相手は女が対象である。
なぜ、彼がこのようなことをしているか、またこんな建物にいるのかは、この後の行
動でわかる。
真男は、こうして毎朝決まった時刻に起床と洗面をすませている。洗面所を出ると、
真男の部屋には早くも二人の女が現われている。一人は、良乃(よしの)といって真
男の二つ年上、もう一人は裕紀(ゆき)といって、真男より一つ年上だった。良乃は
太っていて、胸もいわゆる巨乳というタイプである。反対に裕紀は胸はそれほどでは
ないが尻が裕紀より大きい。しかし、真男にとって胸や尻の大きさは全くといってい
いほど関心がなかった。真男の好みは、いま自分もその姿になろうとしている長い黒
髪にあった。いわゆる髪フェチで、二人の女性も真男の好みどおり腰まで髪の毛を長
くしていた。良乃は前髪を後ろにとめながら他の髪の毛と一緒に垂らしていることが
多く、裕紀はポニー・テールにまとめていることが多い。この二人は、この真男の教
育係という役割で、実は腹違いの姉妹であり、別にもうひとり真男より年下の妹がい
るのだが、その妹が真男にとって問題の人物であった。これもまたこの後のあとでど
ういう人物かわかる。
二人の教育係を前にして真男がさっそく正座する。
「おはようございます。良乃姉様、裕紀姉様。」
「よし、いいわね。すっかり女らしくなったわね。ひげも見えなくなったし、肌もき
れいになったわ。」
「同感よ、良乃姉様と。髪の毛もきれいにとかせるようになったじゃない。」
真男は、エスティシャンを受けて、ひげやすねげもはえないようになっていた。外に
一切出られない身であるため、肌も自然に白くなっている。その真男の肩に裕紀が手
をかけ、良乃が真男のお下げ髪をなで始めながら声をかけた。
「まおちゃん、髪の毛を三つ編みにできるんじゃない?」
「えっ、ぼくの髪の毛を三つ編みに?」
「ほら、“ぼく”っていうのはだめよ。わたしたちもあなたが女らしくなるようにて
いねいな女ことばで接しているのよ。さあ、洗面台にもう一度行って鏡を見て、以前
にわたしたちの髪の毛を編んだことがあるから自分でもできるようになるわ。でも、
最初にわたしたちが編んであげるわね。」
“まお”というのは、本名の真男から一字とった、いわゆる源氏名であった。真男
は、特に三つ編みに対する憧れが強かったので、どきどきしていた。すでに述べた
が、真男の片思い遍歴がいずれもそうしたロングヘアーの女の子であって、その子と
仲良くしたいというよりは、その子を襲ってのりうつってみたいというような考えを
持ったり、自分でもあんな女の子みたいに髪の毛を長くして三つ編みもしてみたいな
どとひそかに思い続けていたからである。いま、まさにその思いが実現しようとして
いる。
右側の髪の毛を良乃が、左側の髪の毛を裕紀がいずれもきれいに三等分して編み始め
た。真男が耳もとにゆわえていた黒いゴムがいったん良乃たちの手首にまきつけら
れ、編んだ毛先をまたそのゴムでしばった。鏡を見ながら、今こうして自分の髪の毛
が編まれる姿を見てより胸が高鳴ってきたのである。
先に良乃が編み終えた右側の髪の毛が、真男の肩の前にぱらっとおろされた。真男は
すぐその髪の毛の編まれた毛先をつまみ始めた。裕紀ももう片方分の髪の毛を編み終
えると同じように真男の鏡に見えるように肩の前におろした。こうして、おとなしい
女学生のようなおさげの姿になった。
「嬉しいわ。お姉様がた、ありがとうございます。」
すぐ鏡から二人のいる方にからだの向きを変えると、編まれたばかりの二本の髪の毛
がとびはねるように動いた。
「うふふふふ。とても似合うわ。」
「ほんとね、セーラー服着るとどんな姿になるかしら。どんな他の女の子も顔負けの
かわいらしさだわ。」
真男はすっかり喜んでしまった。
「じゃあ、セーラー服にさっそく着替えようかしら。」
「ふふふふ、その前におふろに入る時間よ。」
「えっ?」
「ほら、オチンチンたってるわ。興奮してるじゃない。」
「はっ、ああっ。」
良乃が突然、真男の着ていたネグリジェに手を突っ込んで、ぼっきしていた真男の性
器をじかにつかんだ。その間に裕紀は真男のネグリジェや下着をすべて脱がせて、真
男は裸になってしまった。この間、真男は抵抗することもなく、別のバス・ルームに
二人に連れていかれた。二人の女も裸になった。三つ編みの姿のまま真男はマットに
仰向けにねかせられた。裕紀がその上にまたいで自分の尻を真男の顔に向けて真男の
性器を揉んだ。良乃もまたいで真男の両手を自分の胸にさわらせた。これは、毎朝の
日課なのである。
「ほら、わたしの髪の毛、長い髪の毛がよく見えるでしょう。」
「ほほ、たってきた、オチンチンがたってきたわ。」
「ああっ、ああ…。」
真男の性器から大量の精液がとび出してしまった。
二、お下げ髪の男の子
真男は、三つ編みのお下げ髪の姿で、当分の間過ごすことになった。
この、真男のいる建物というのは、実は男子禁制の建物で、出入りしている者はすべ
て女性だった。場所は、ホテルが多くひしめく建物の奥にあって行き止まりの道の先
にあり、したがってその道路の何メートルかに男性が入ることは一切許されておら
ず、厳しい女性の警備員が見張っていた。そんな中に真男がいてしかも女性の姿にさ
せられているのは理由があった。現在はまだ開店準備中であるが、しばらくすると女
性客専用の風俗営業店を開く計画があった。実にいっぷう変わったアイデアが考え出
されているのだが、真男のような女々しい性格の男を相手にして女性だけを呼ぼうと
いう企画が考え出されたのである。真男は、その第一号として入れられた。いずれ、
少しずつふやす予定ではあるが、まだ真男一人しか入っていない。
真男のいる部屋はマジック・ミラーのような窓が天井近くにわずかにあるだけで、そ
のために光がさしこんでくるから一日が過ぎることは真男にもわかっているが、外の
様子は一切知らされていない。外出はすべて禁じられている。逃げようとしても絶対
不可能な身となっている。しかも、新聞や雑誌、テレビなども許されていないのであ
る。したがって、外でどんな大事件が起こったかが一切わからなかった。総理大臣が
変わったとか、プロ野球はどうなっているかなども知らずにいた。わずかにBGMと
してクラシック音楽を聞くことが少しの間だけ許されていた。好きな旅行ももちろん
出られないが、いずれ連れていくと言われているのでそれを楽しみにしていた。
毎朝、二人の教育係が真男をより女らしく?するために厳しくしつけている。服の着
こなし方や、髪の毛のとかし方など、日頃のしぐさや言葉づかいも、少しでも男のよ
うになりそうになると容赦なく鞭がとんでくる。三度の食事も、野菜や海草など肌や
髪の毛のためのものが中心で、肉類は少なく、全体の量も少なめだった。
そして、メインの仕事は女性従業員の相手だった。毎朝の二人の教育係以外にも、多
くの女性の相手をさせられた。これらはいずれも都内とその近郊の風俗店に勤めてい
る女性たちだった。地元の近くにあるファッションヘルスや性感エステ、イメクラに
勤めている雑誌によく載るいわゆる風俗ギャルたちが最も多いのだが、他にも名のあ
る都内のソープランドやピンクサロンに勤める女性も大勢ここに出入りしている。時
には、東京また関東以外からもやってくる。真男はこうした風俗女性たちとのセック
スの他に身体や髪の毛を念入りに洗うという仕事をさせられていた。仕事といって
も、もちろん給料はない。それでも、三度の食事をタダで食べさせてもらっている
し、ふつうは巨額がかるエステもタダであるし、この建物にも毎日タダで過ごしてお
り、なによりも風俗女性とのセックスなら男は大金を払わねばならないところを彼は
すべてタダでやっているのだから、他人から見ていいご身分である。それだけに、毎
日好き嫌い構わず不特定多数の男を相手にしなければならない女たちのストレス解消
のために、苦しい思いも覚悟していなければならなかった。当然、女性に対して殴っ
たり蹴ったりなどの暴力行為は許されないし、時にひとりの女性を相手にするのでは
なく、一度に二人以上の女性と同時に相手にしていかなければならないこともある。
「まおちゃん、三つ編みしたのね。かわいいわよ。」
「あら、あたしより長い髪の毛ね。男の子のくせに生意気よ。」
真男はこうして自慢の髪の毛も女たちに引っ張られる。真男が泣くまでいじめをやめ
ない。とにかく、真男がより弱くなるように、ただでさえ長い髪の毛の女の子みたい
になりたいという女々しい性格の真男だったが、より女々しくなるようにしつけられ
ているのである。真男が髪の毛もこのまま切らずに伸びて、一人前の女?になった時
に女性客向けの店が開かれるという訳である。
真男は、一日の最後にまた二人の教育係に身体や髪の毛を洗ってもらって最後はいつ
もの三つ編みのおさげにしてネグリジェを着てベッドに入った。そのネグリジェも十
着以上、他に日頃着ているセーラー服やワンピースなどのおしゃれな洋服も多く棚に
かかっている。リボンやボンボン、カチューシャ、ヘア・バンドなどのヘア小物もた
くさんあるが、いずれも女たちが身につけていたものが相手をしてくれたというプレ
ゼント代わりに与えられていたのだった。
真男の寝る部屋に鍵はかけられていない。隣に女監督たちの部屋があってそこは鍵が
かかっている。その他の部屋には、明朝早くから店に出勤するという風俗女性や遠方
からの出張してきた女性が交替で泊まっている。時に、真男の部屋で教育係や他の女
性が一緒に寝ることもある。これは、しつけも兼ねているが、建物に空き部屋がない
と、そのようなことが起こる。真男の部屋は他の部屋と同じ広さのため、たいていの
部屋は教育係を始め女性が二人で入っているのに、真男はひとりでいるからである。
時には二人の女性にはさまれながら一夜を過ごしていることもある。
こうして、毎日、ただ女性の相手だけをしながら過ごしているという生活が当分続い
ていた。
三、悪魔の誘い
真男がこの世界に入ってしまったのは、高校を卒業して浪人が決まった年の夏だっ
た。
高校まで共学だったが、女性とのふれあう機会もなくなるとどうしても女性に対する
見方が歪んできた。この頃は特に性的な欲望が発達する頃で、以前から通学中に気に
なってはいたことではあったが、長い髪の毛の女性や女学生の姿を見ると、性器が
ぼっきしてしまう症状にかかっていた。たかが、女の体にくっついているだけの、と
思ってもだめであった。よく、夢に出ると夢精も起こしていた。特に、二本の三つ編
みにして腰からお尻に届くまで垂らしている女学生を見るとすぐ興奮してその時に精
液が出てきていつも下着が濡れていた。
以前は、同じ学年の女子生徒か少し上の上級生に対して特有の症状を起こすことが多
かったが、この頃は大人の女性に対しても、小学生の女の子に対してもただ髪の毛が
腰に届く以上に長くしているだけでそうした症状にかかってきた。実際に、夢の中で
隣のクラスにいた同級生の女の子のお下げにしているお尻まで届いた髪の毛を両手で
つかんで夢精で目がさめたりしたこともあった。
ともかく、どういう訳かヌード写真などには興奮しないのに長い髪の毛、それもあま
りふつうの男には人気のなさそうな三つ編みの髪の毛に興奮するという症状は自分で
も異常ではないかと感じていた。
予備校への通学中は同じ時刻に同じ者に出くわすことが多いので、特に長い髪の毛の
女学生はすぐに目についた。ある日のこと、夏服となったある女子生徒に真男は目を
つけた。頭からふたつの三つ編みの髪の毛が直接垂れていて、その毛先が着ているス
カートの上、お尻に届くほどあった。どこかの私立の女子校らしかった。襲いたいと
いう欲望が出てきて、その女子生徒が電車を降りるとそのあとをつけ始めた。女子生
徒は全く気付かない様子だった。ついにその女子生徒が住んでいる家もつきとめてし
まった。この時は真男もいったん帰宅したが、自分の家からも歩いていける範囲にあ
ることがわかり、機会があれば行ってやろうと考え出していた。
その夜、真男は変な夢を見ていた。自分の姿を鏡で見ると、いつのまにか自分の頭か
ら髪の毛が長く伸びていて、それを見知らぬ女が櫛でとかし始めていた。やはり髪の
毛が長く背の高さと同じくらいあるような、平安時代のお姫様ではないかと思うよう
な女が後ろに立っていたのである。しかも、鏡の中をずっとのぞきこむと、今度は真
男の髪の毛を三つ編みに結い始めた。
「やだ、だれ?」
「くくくく、くくく。」
その不気味な笑い声は女には間違いなかったようだが、いつか見たことのあるホラー
映画に出てきた女吸血鬼のようだった。事実、髪の毛を編み終えるとその女は真男の
からだの前に垂らさせた。真男が振り向くと、女が口をあけたとたん、中から恐ろし
くとがった牙が出てきた。その女に真男は首を噛みつかれてしまった。
「痛い、助けて…。」
「おまえも吸血鬼になるんだよ。」
恐ろしくなって、真男は目をさました。好きな同級生の長い髪の毛の女の子が吸血鬼
になるという夢も見て夢精をしたことも以前にあったが、自分の髪の毛が長くなって
いるという夢は初めてだった。不思議と、この時に夢精はなかったが、まだ夜中の十
二時を回ったばかりだったというのに、この恐ろしい夢のおかげで真男は眠れなかっ
た。
とうとう、真男はパジャマ姿のまま、家をこっそり抜け出してしまった。家の者はみ
な昏睡していて誰も気付かなかった。真男は、昼間に目をつけた少女の住む家に最短
距離で向かっていた。表通りをほとんど通らずに行ってたどり着いたため、夜中にそ
こを通った真男の姿を見た者もいなかった。
暑い気候のために開いていた窓があったため、真男は忍び込んだ。そこへちょうど歩
く音が、あっ、あの女の子では、と、真男が目をつけていた少女がトイレにネグリ
ジェのまま行こうとしているところであった。真男は少女のあとをつけ、少女が電気
をつけてトイレに入る隙に少女に抱きついて少女の口もふさいだ。しかも少女は下着
をぬぎかけていた。自分の家の中であるし、早く用を足したかったのだろう。真男は
少女をトイレに入れたまま、そのトイレの鍵を閉めた。
「誰、あなたは、キャーッ!」
「ふふふふ。おれは吸血鬼。おまえの血を吸いに来たのだよ。」
「やめて、エッチ、助けて、ママ、おねえちゃん!」
「どんなに叫んでも無駄だ。鍵を閉めているからな。」
少女はショックでその場にお漏らしをしてしまった。真男も興奮してパジャマと下着
を脱いで精液を出し、少女の脱いだネグリジェやパンティーにかかってしまった。そ
して、少女の長い三つ編みの髪の毛をつかんでは引っ張り、胸もおさえつけて少女が
いやがるとより面白がって性行為を強要するのであった。もはや立派な痴漢行為で
あった。
「あんたは人間じゃないわ。」
「そうだよ。おれは妖怪だよ。吸血鬼だよ。夢のなかで女の吸血鬼に襲われておれも
吸血鬼になったのさ。だからおまえを吸血鬼にしに来たのだよ。」
真男は自分の濡れた性器に少女の二本のお下げ髪を巻きつけ始めた。さらに深い奥に
巻いて編まれた少女の髪のはえぎわに性器の先を押し付けた。精液もじかに少女のか
らだにかかってきたし、髪の毛もほとんど濡れてしまった。
「いやーっ!なにこれ、べとべとする。」
「くくくく。おまえはおれの奴隷だよ。いやでもおれを好きになるのさ。おまえも吸
血鬼になるのだから。」
少女は心ならずも自分の指を真男の濡れた性器にふれてしまった。そのために真男は
より興奮し、センズリという方法で少女のうなじをなめまわした。逃げようとして少
女はもがいた。洋式の便器の上に上がったが、後ろを見ると自分の髪の毛が真男の性
器に交差して巻きつけられ、しかも少女の髪の毛先に結んであった黒のゴム輪でとめ
られていたのである。
「きゃぁーっ!」
「ふふふふ、ほどいてもいいぞ。ただし、自分でやりな。」
「いやよ。さわりたくないわ。」
とうとう、少女は泣いてしまった。めったに泣いたことのない少女だが、身長の半分
ほどある二本の三つ編みのお下げ髪は、うなじの襟足のあたりも、一つ一つの編み目
も、黒いヘアゴムも、髪の毛先も、こうして一人の男の性欲のためにすべて濡らされ
てしまった。少女の着ていたネグリジェや下着も、少女の身体も、少女自身がお漏ら
ししたものとあわせてすっかり汚れてしまった。その時、車が外にとまって家の玄関
を開ける音がした。
「はっ、今ごろ誰か帰ってきたな。」
「そうだわ。」
少女はトイレの隅にあった、花瓶をとった。それを真男が車の音に気をとられている
間にすかさず股間にひと突きした。すると、真男は呻いて苦しみだした。これを見
て、少女はすぐ真男の頭の上をその花瓶で思い切りたたいた。花瓶から水がこぼれて
真男の顔にかかり、目も開けられなくなった。少女はそこを突いて何度も真男の頭を
花瓶で殴った。恥辱を受けた憎しみと恨みを当然のようにこめていた。やがて、真男
はその場にぐったりと気を失って倒れた。
帰ってきたのは、少女の二人の姉だった。少女はトイレの鍵を開けて呼んだ。
「おねえちゃん、助けて!」
「どうしたの、起きてたの、あっ。」
二人の姉がトイレに駆けつけると、少女の姿を見て唖然とした。少女のお下げ髪がま
だ真男の性器に巻きつけられたままだっだ。少女が自分でほどくことはできなかった
ため、二人の姉がトイレット・ペーパーを使ってなんとかほどいた。
「うえーん、うえーん、死にたい。」
「びっくりしたわ。さ、おふろ沸かすから洗いましょう。」
脱ぎかけていた少女のネグリジェや下着も汚されていたが、これらもトイレット・
ペーパーを使いながらそっと二人の姉によって脱がされた。ふろを沸かすいっぽう
で、気絶した真男を上の姉がしばし眺めていた。
「ねえ、裕紀、久美子をおふろに入れている間、この男を連れていってみるわ。年も
ちょうどよさそうだし。」
「えっ、良乃姉さん、こいつを、そうね。弱々しそうだしね。」
そうなのである。真男が犯した少女の名は久美子という名だった。そして、この二人
の姉こそ、真男の教育係となる女たちだったのである。
実は、三人ともほとんど似ていない姉妹だが、腹違いの姉妹である。まず、良乃の母
親は痴漢に犯されて生まれた、いわゆる未婚の母の子であった。その母親が結婚相手
を求めていたが、離婚して赤ちゃんだった良乃と一つちがいになる裕紀を連れていた
男と結婚した。この男との間に久美子が生まれたが、酒癖の悪い男で母親はしばし暴
力を受けて耐えていた。前の女に逃げられたのも当然だろうと思い、母親は三人の子
供をつれて離婚した。男性不信となって母親はもう再婚もせず、クラブのホステスと
して子供たちを育てながら働いていた。このために、風俗業界のことには詳しかった
ので、三人の子供も高校までは行かせて卒業したら自分のよく知っている風俗店で働
かせようと考えていた。三人の少女たちはそんな母親のけなげな姿を見ていたので、
母親の考えに抵抗することもなく、すでに二人の姉が高校を卒業してすぐ風俗店に勤
め始めた。特に、裕紀にとっては自分は他の女の腹から生まれてきたにもかかわらず
大切に育てられていたことに大いに感謝していた。
このため、母親と二人の姉は夜遅くまで店に勤務していたので久美子がまだ高校生
だったためひとりで寝ていたのである。車は母親が運転していた。ちなみに、二人の
姉はまだ運転免許をとっていない。独立して店を持とうと思いたった母親が、今回の
真男を勤めさせる女性相手の風俗店の青写真を描いていた訳である。
良乃が母親と、気絶したままの真男のからだを運んだ。そして、今もどってきた車の
トランクに入れ、縄を取り出してタイヤにさるぐつわのようにしてしばりつけた。ト
ランクをしめると、母親と良乃がふたたび車を走らせて闇の中へ向かっていった。
(つづく)
投稿の目次 その2へつづく
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