(ずっとシリーズ第3騨です)
オーダー待ち。普通の人にとってみれば無駄な時間以外のなにものでもない。でも俺は違う。昼どき。店は混みに混みあっていた。
オープンキッチン。激しい炎と共にスパイシーな香りが辺りに漂う。まさに戦場。めまぐるしく動くコック。めまぐるしく動く俺の目。
彼女がいた。厨房のちょうど中央。女だらけの厨房。イタリアンコックらしく野球キャップのようなものを被っている。真剣なまなざし。
あのキャップがなにかいい。顔全体が見えないもどかしさ。コックの帽子はいつからああなったのか。
耳から出てるまっすぐなモミアゲ部分。あれもいい。かなりいい。引っ張りたくなる。
彼女の振る小さめのフライパンから、また小さく炎が上がる。後ろで結った髪。揺り動く。もう、なにやってるの。それ違うでしょ。
部下に叱責する彼女。はい、すいません。それに応える部下。彼女の可愛いくもどこか威厳のある表情。俺は知っている。
彼女はここの店長だ。部下からも慕われている。大きい海老。彼女の振るフライパンから踊り出る。つまりあれは。
俺のオーダー。仔牛と手長海老のバジルコ炒めブルゴーニュ風。それが手早く皿に盛られ、俺のところに運ばれてくる。
黄色がかったソースから醸し出される匂い。バジルの濃厚な香りが食欲をそそった。
チラリと彼女を見る。いい顔付き。真剣なまなざし。もう次の料理を作っている。いただきます。俺は心のなかでそう言った。
2匹の手長海老と柔らかそうな骨付き肉。絡み合うよう皿の中央に鎮座している。彼女が作った料理。
フォークで切り分けると密閉された肉汁がソースと溶けあった。口のなかで海老のエキスが跳ね回る。うまい。
ブルゴーニュ風ってなんだ?と思ったがどうでもよかった。これで1800円。昼めしにしてはやや高い。関係ない。なぜか。
そこに彼女がいるから。存在してるから。他に理由なんかない。ガラス一枚向こう。そこに彼女がいる。気になる女がいる。
気になる女がいれば。俺はそこに行く。昔からそう決めている。
キリリとした表情で部下に指示を出している。ナチュラルメイク。しかし整った顔立ち。すなわち美顔。俺のタイプ。理想の女。
それを見ながら食う。うまい。間違いなく、うまい。俺のフォークが骨付き肉に刺さる。違和感。俺の目が瞬間とまる。
髪の毛。長い髪の毛。つまり。
彼女の髪の毛。俺は素早く手をあげる。ウエイターが来る。状況を説明する。申し訳ありません。その子はそう言うと厨房に行った。
オープンキッチン。厨房の彼女と視線が合う。俺は視線を反らす。彼女の隣りでさっきのウエイターが説明している。
早まる鼓動。直接。彼女が来る。直接。俺のところに。神妙そうな顔。ベースボールキャップで半分の顔。
近くで見る彼女。めちゃめちゃ。めっさ。かわゆす。マジかわゆす。
「申し訳ございません、、、、、、髪の毛が入っていたそうで、、、いますぐ作り直しますので、、、本当に申し訳ありません」
俺は言った。猛烈な勢いで料理を食いながら。
「いや、、、、、全然いいんです、、、、、、それよりこれ、、、、、、ホントおいしいですよね、、、ご飯が進むったら、、、
あ、、、、出来ればご飯おかわりもらえます?、、、、、、なーんてね」
コックの顔。キャップでよく見えない。コックの顔。キャップで半分も顔が見えない。コックの顔。キャップで依然よく見えない。
コックの顔、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、コックの顔は、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
笑顔。俺に対して満面の笑顔。
こうして、、、、、、、、、、、数日後、、、、、、、、、、俺達は付き合うことになった、、、、、、、、、、、、、、、、、
「今日はさ、、、どうゆう風に料理されたいでちゅか?、、なんか最近お店忙しくっさァ、、、、かなーり欲求不満なんだけど、わたし」
俺は海老か仔羊か。彼女の部屋で食材のように縛られている俺。まるでチャーシュー。煮豚。
なぜか彼女は人の縛り方まで熟考していた。亀甲縛り。そう呼ぶらしい。
赤いひも。それが俺のだらしなく太った脂肪に食い込んでいる。忙しい時の彼女。そのままの格好で帰ってくる。
キャップから半分見える顔。とがったあご。口角。俺を見て口角があがる。つまり微笑。顔の半分だけ見えるというエロイズム。
彼女が近づくごとに。あの洋食屋の香りがした。デミグラスソースの甘ったるい匂い。彼女と洋食屋の香りの残滓。
俺の格好。あぐらをかいてる姿勢。両手は後ろ。亀甲縛り。亀の甲羅のような文様が腹の脂肪に浮き立っている。
ひざの関節も複雑奇怪な縛り方をされてピクリとも動かせない。まさしく亀。
俺の口。彼女が店で首に巻いている赤いスカーフ。責任者という証。それが俺の口を封鎖している。
いまは彼女を満足させる責任者。そうゆう意味。
「そんな格好でよくお留守番できまちたねぇ、、、、、、、、、、、えらいえらい、、、、いまご褒美あげまちゅからねぇ」
赤ちゃん語。彼女の癖。俺に対する視線。常に上位。まるでいい食材を見る視線。調理開始。
俺のモノ。パンツから膨らんだモノ。そこをゆっくり撫でられる。亀甲縛り。その体勢でビクつく俺。
付き合った当初。彼女は生きた海老をそのまま揚げようとしていた。俺は聞いた。なんか可愛そうじゃねぇ?
彼女は言った。だけどこうゆう料理なんだもん。仕方ないじゃん。でも。しかし。生きた海老を油に入れる直前。確かに。ハッキリと。
彼女の顔は笑っていた。必死に彼女の手から逃れようとする海老。それを見ながら。確かに彼女は笑っていた。
生きたものを殺す快感。殺生に喜ぶ彼女の魂。いま生きてたものを調理して食う、という行為。いわば誰にでもある狂気。
確かにそれを。彼女の中のそれを見た気がした。
ダーイブ!そう言いながら嬉しそうに油に落下させる彼女、海老の動き。一瞬で止まる。そして赤く、まっ赤になっていった。
あは、、昇天しちゃったね、この海老さん。おいしくなぁれ。彼女の瞳。相変わらず可愛いらしく輝いている。
この時。俺は気づくべきだった。彼女の性癖に。
激しく勃起した俺のモノ。パンツから露出した俺のモノ。それを彼女の唇が吸い上げる。色んな味見をしてきただろう彼女の口。
それがいま。俺のモノを味わうように上下にゆっくり動いている。キャップ。彼女の表情が見えないという恥辱。
「今日はなにがいいでちゅかぁ?、、、、、、このソースなんていいかもねぇ、、、、、、、はーい、、ちょっとしみまちゅよォ」
冷蔵庫。そこから出した小瓶。チリソース。ラベルにはそう書いてあった。その赤く辛そうなソースが俺のモノに塗られる。
亀頭。こんもりと盛られたソース。凄まじいヒリヒリ感。動かせない体。亀甲縛り。そう思った直後。彼女の唇が埋没する。
「あん、、、、おいちーでちゅねぇ、、、、、、おいちーチンチンでちゅねぇ、、、、」
彼女の口からチリソースと俺の肉棒が交互に漏れ出る。激しく震える体。体を動かせないというジレンマ。
まるでエビチリを試食するみたいに彼女の舌が動く。顔の半分が見えない。
キャップの先が俺の腹にあたるたび、俺のモノが深く彼女の口内に取り込まれる。
彼女が生み出したフェラチオの技。彼女はフェラチオ意外に興味はない。だから彼女とエッチしたこともない。
こうゆう女もいるんだな。付き合った頃そう思った。
一回だけ聞いたことがある。なんでフェラだけ好きなの?と。彼女は言った。だって男を食べてる感じがするじゃない。
そう言った時の彼女の顔。前に見た気がする。いつだったか?思い出せない。いつだったか?そして。思い出す。
海老を油に入れる時の顔。あの時の顔。究極のサディスト。つまり。さしずめ。
俺は食材。いや、彼女にしたら男全てが食材。ただ、ただ奉仕するだけの存在。
彼女の顔が見れないまま、彼女の体温だけはハッキリと肉棒に絡んでいく。そして。衝撃。震える亀甲縛り。
俺という名のチャーシュー。引きつる体。パンパンに張る亀甲縛り。しかし。それゆえ。彼女の口は俺のモノを逃がさない。
射精した瞬間。檄辛ソースで敏感になったモノで泣きだしたくなった。まるでフランクフルト。当然チリ味。
亀甲縛りのまま。全く動けず。射精させられることの屈辱。まさに。食されている。彼女なりの食文化。
「ンく、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、ンく、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、ンく、、、、、、、、、、、、、」
俺の精子を残さないよう飲んでいく。チリソース味の精液。
「ンン、、、、おいちかったでちゅねぇ、、、、、そちたらわたしお風呂入ってきまちゅからねぇ、、、出たらまた、、ちまちゅからねぇ」
彼女が風呂に入ってる間、俺はこの棒を復活させなければいけない。今度はなにソースだろう。亀甲縛りのまま考える。きっと。
俺達はこれからもこうゆう関係でいくんだろう、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、おそらくずっと。
おわり
おわり
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