(かけそば 350円)
そう表記された、しみったらしい掛けメニューがあり、半ば放心状態の俺はそれが高いのか安いのかぼんやりと考えていた。
古ぼけた大きな置き時計が午前3時を指そうとしている。土産に干し芋をどうぞ、と書かれた棚がひどく淋しく見えた。
茶屋の中、奥は10畳ほどの座敷になっていて、長年使われていなそうな宴会用のテーブルやらイスが壁に立て掛けてあった。
女の子数人がハシャギながら押し入れから何枚かの布団を出し、丁寧とは言えない感じで敷いていく。
決して大きい体格とは言えない卓志さんは相変わらずグルグル巻きにされ、おもむろにその布団に倒された。
いつの間にしたのか卓志さんの口には猿ぐつわがされ、下半身は見事に脱がせられている。
女の子のように内股を絞り、いちもつを見せまいとする卓志さんが余計に哀れに思えた。
「宴会スタート!!、、、イエェーイっ!!」 「あはは、、、、、ビール持ってこいよォ!」 「男をつまみにして飲むかァ!きゃはは!」
「テメー、、動いてんじゃねーよっ!、、、うちらのつまみのくせしてよォ!」 「みんなで犯しちゃおーぜぇ!!、、イエーイっ!!」
「ダメだ、、酒たんねー!早く持ってこいよォ!」 「レディースなめてっからこーなんだよっ!、、、バーカ」 「あははははっ!!」
「なに隠してんだよー!、、たいしたもん付けてねーだろーがよぉ!」 「あたし、すげー酔っぱらってきたかもー!、、、きゃはは」
「こいつ、もしかして泣き入ってんじゃねー?、、、超ぶざまなんだけどー!」 「しっかりしなよぉ、、伝説の卓志さーん、、あはは!!」
完全にアウェイの場所。治外法権な場所。逃げ場所も隠れるとこさえない閉鎖された場所。
もはや卓志さんを助けられる手だては無いに等しかった。
せめて、自分も縛れたりしてさえいれば。今、こうして自分が自由な状態でいることが卓志さんになんだか申し訳ない気がした。
「はーい、、、みんな、、いいかなァ?」
大雪リーダーのそば、副リーダーのようなその子はどこかの女将のように手を叩くと、全員が静かになる。
「リーダー、いいですか?」 大雪はカウンターに腰かけたまま気だるそうにうなずいた。
「今日はこいつ、、卓志っつったっけぇ?、、、こいつが真央をレイプしたことのへの報復をしまぁす!、、」
「イエーイっ!!」 「ヒューっ!!、、、ヒューっ!!!」 「あはは、、ほーふく、、ほーふくぅ!!」 「逆レイプーっ!!」
「写メ撮っちゃっていいんですよねー!?」 「あはは、、、それさ、、ブログに貼り付けたらおもしれー!!」 「超うけるぅ!!」
さっそく持っている携帯からカシャカシャと音がして、なかには動画で撮ってる子もいた。
「二度とあんなことさせないようみんなでケチョンケチョンにやっつけてくださーい!、、、、以上ぉ!」
そうその子が言ったあと、女の子達はまるで飢えた野良犬のように卓志さんを取り囲んだ。
数人がかりで無理に卓志さんの股を押し広げ、しなだれたモノを手で掴みあう。
俺はどうすることも出来ず、レジの前で立っていた。
「君さ、、、、、こっちへきな、、、、、、、」
大雪リーダーは俺にそう言い、隣りに座るよう促した。アルコールのせいもあるのか、なんだかさっきと様子が違う。
俺は怯えたペットみたいに大雪のそばに腰かけた。 「ンフ、、、、、怯えちゃって、、、、かわいいのね、、、どう?、、怖い?」
まさにテレビで見る大雪のようにえくぼを浮かべ、ほんのりピンクに染まった肌から熱い体温が伝わってきそうだった。
「女ってね、、、集団でいるとあ−ゆー馬鹿もできるのよ、、、本能が開花するってゆーのかしら、、君には早すぎるかな、、ンフフ」
卓志さんは仰向けにされ、餌をついばむ小鳥のように数人の女の子達が体中を舐めている。
苦しそうな吐息が猿ぐつわから漏れ、ここまで聞こえてきた。
「こっちの部屋おいで、、、童貞なんでしょ?、、、、大人の女がどうゆうものか、、、、、、教えてあげる」
見るともうひとつの小さな個室にすでに綺麗に布団が敷かれている。
手を引く大雪。俺の心。抵抗したくてもできないもどかしさが、荒い呼吸に変わっていく。俺は興奮した猿みたいに息を弾ませた。
「ハァハァハァ、、、、か、、勘弁してください、ハァハァ、、勘弁して、、ください、、、、他のことだったらなんでもします、、、、ホントに」
「ん、、、、、そーやってさ、、、、イヤがるの、、とっても可愛い、、、、、、、まだ女の子と付き合ったこと、、、ないのかな?、、、クス」
その切れ長の美しい目は、俺の精神構造、全てを見抜いてるようで得意の嘘が口から出てこなかった。
「ハァハァ、、、え、、、エッチなんて、、、、そ、、そんな急に言われたら、、俺、、ハァハァ、、、」 「じゃ、、、あーなりたい?」
目線の先を辿ると裸の女の子が上になって、卓志さんをビンタしながら腰を振っている。
でも、それは数十秒で、すぐに次に待っている子が入れ替わり立ち替わり卓志さんの上にまたがっていた。
卓志さんの足を使って、自分の股に擦りつける女の子や、猿ぐつわされた上から無理やりディープキスする子もいた。
車内で会った、上斗あや子似の子は、順番が違ったのか隣りあう子と揉めていた。
そうしてるうちに卓志さんの顔にまたがり、缶ビールを片手に盛り上がっている。
なんの液か分からない染みが、点々とシーツに落ち、人と人、肉と肉がぶつかり合う音だけが聞こえてくる。
野次と罵倒があちこちから聞こえて、ホントにそれをつまみに酒を飲んでる子さえいた。
そこは阿鼻叫喚、酒池肉林、が渾然一体となってるようで宴会場全体が女の子達が放つエロスのオーラに包まれてるようだった。
それを目にした俺の呼吸はさらに激しいものに変わり、いつの間にか目から涙が溢れ出していた。
「グスっ、、、、、ヒィ、、、、グス、、、、いやだ、、、、帰りたい、、、、、帰りたいんです、、、グスン、、昌樹のバイクが、、、、、」
「ンフフ、、、、あんまりショックだったかな、、、、泣かしちゃったね、、ヨシヨシ、、こっちおいで、、、、たっぷり慰めてあげるから」
まるで愛玩動物を愛でるような視線で俺を捕らえると、、彼女は半ば強引に手を引いていった、、、、、、、、、、、、、、