テントの中。嘘だろ。始め、そう思った。両手、両脚が縛られている。いったいなんの真似だ?
酔った頭で考える。夏祭り。花火大会。そう、俺はキャンプに来てたんだ。頭が重く、気持ちも悪い。
女友達3人を誘ってのキャンプ。それにしても、とまた考える。ふざけすぎにもほどがある。
「おーい!、、、なんなんだよ!、、、、これ!!、、、、、誰かいるんだろ!?」
テントの外に向かって叫ぶ。大声。また、頭がガンガンと鳴った。調子に乗って飲みすぎた。
その空き缶やら、食べ残した残骸。月明かりに照らされた砂浜。それらがテントの入り口から見えた。
「な、、、、なんなんだよ!?、、、いい加減にしろよな!!」
海の音。静かな波音だけが聞こえてくる。俺はどうしていいか分からず、しばらく動かないでいた。
縛られた手足は相当きつく結んであるらしく立つことさえままならない。
ピューーーーーー、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、どどーーーーん!!、、、、、
テントの小窓から点滅するような明かり。遅れて聞こえる音と振動。夏の風物詩。
近くで花火大会があるから。そういう理由でここにテントを張ることに決めた。
地面を伝わり、体の奥に染みいるような花火の音。相当近くでやってるらしく澄んだ女性のアナウンスも聞こえてくる。
なんなんだよ、、、、馬鹿にしやがって、、、、俺はふてくされたように目を閉じた。
「あれ?、、、気づいたぁ?、、、、たっくん?、、、、、、たっくんてばぁ、、、、」
「え?、、、気づいたの?どれどれ?、、、あはは!縛られてる男の子ってホント無様ぁ!、、、あはは」
「なーんかさぁ、、、、、捕虜みたいだよねぇ、、、ほら、、映画とかに出てくるぅ、、、きゃははは」
美奈子、愛子、彩の3人。見慣れた顔になぜか安心した。
「なんだよ、、、、やっぱり居たんじゃねーかよ!、、、、はやくほどけよなぁ、、なんの真似だよ」
ちょうど朝早くやってるニュース番組のキャスター達と同じ名前。それを言うと彼女達は機嫌が悪くなる。
でも、どこか嬉しそうにしてる。女の子の考えがいまだに俺には分からない。
「どう?どう?、、、見て見てぇ!、、、、、えっへへ、、、、可愛いでしょ?」
その3人が浴衣を着ている。かわいい。めちゃくちゃ可愛いらしい。でも、そんな言葉が俺の口から出てこなかった。
「ん、、、、、まあまあじゃねーの、、、、、、、色がなんかさぁ、、、いまいちじゃねー?」
そんなことはなかった。どの浴衣も女の子らしくいけてる。
浴衣を着てると普段見られない女の子らしさが滲み出てくる。
「なによー、、、、たっちゃん気にいると思ってわざわざ着替えてきたのにぃ」
むくれた美奈子の顔。可愛いらしい。黄色。ピンク。水色。三人三様。 可愛いらしい花模様。手に持ったうちわ。
まとめ上げた髪からほつれたように伸びた産毛。その、どれもが夏を意識していた。
ピューーーーーーーーー、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、どどーーーーーん!!
花火の光で3人の露出された肌が照らされる。これもまた、色っぽかった。
「でもさ、、、、テントの中、暑いねぇ、、、はぁい、、風ぇ!、、、、、あはは」
一番おとなしい愛子がうちわを使い、俺の顔に風を送ってくる。
「いいから早くほどけよ!、、、、お前ら、、なんか企んでねー?その顔はさぁ、、」
「うっさいなぁ、、、いいからたっくんはおとなしくしてればいいのぉ!、、、でもホント暑いよねぇ」
そう言った美奈子が浴衣を肩口まではだけさせる。うちわの風。胸の谷間。妙に色っぽい。
その芳香が俺の鼻に当たる。女の子の匂い。シャンプーの甘い匂いと混ざり合った香ばしい匂い。俺は顔をそむけた。
「え、、、、やだ、、、たっちゃん少し起っちゃてる?、、、あたし達見て興奮しちゃったぁ?」
彩が悪戯っぽく俺の顔を覗きこむ。ヒラヒラした浴衣の袖口。柔らかそうな二の腕が一瞬見えた。
「た、、、起ってねーよ!、、お前ら相手に起つかよ!、、、、なに言っちゃってんの?エロい女!」
エロい女、という俺の言葉に3人が瞬間、無口になる。でも、俺の股間は確かに熱くなっていた。
「ひどーい、、、たっくん、そんなこと言っちゃうんだぁ、、でもさ、、、これ、絶対起ってるよねぇ」
美奈子がそう言いながら、突然、手の平で俺の股間を撫でだす。慌てて身をよじる俺。逃げる俺の体を面白そうに
撫でつける。
「さ、、、、触んなよ!、、、ば、、、ばっかじゃねーの、、、、、さ、、触んなって!!」
俺ん家から歩いて1分。つまりは幼なじみ。今まで女として見たことなどなかった美奈子。それが今日に限って女の子
らしく見えた。
「あ、、、やっぱ起っちゃってるよ!、、ま、男の子だからねぇ、、ほらほら起ってんじゃん!」
まんざらでもなさそうな女の子3人。こんな、起ってるとこ見られたら絶対嫌われると思っていた俺。
でも、なぜか嬉しそうな女の子達。美奈子が触りだすと他の2人も触りだしてきた。
「お、、おまえら酔ってんじゃねーの!?、、、、さ、、、、触るなって!!エロおんな!!」
「はぁーい、、、エロ女でーす!、、、、、美奈子ぉ、エロ女でーす!、、、、きゃはは」
チューハイの甘い匂い。相当酔ってるのが分かった。3人の手があちこちを撫でまわす。俺の吐く息が震えだす。
「だ、、、、だから触る、、、、んんっあ、、、、、、さわるなって、、、、んっ」
「きゃ、、、、かわいいっ、、、、、ねえねえ、その変な声もっと聞かしてよ、、、、あは、、、あはは」
「あたしら触るのに女の子みたいに反応しちゃってぇ、、、もうビンビンじゃない?、これさぁ、、、、」
「さっきからずーっとさぁ、、、美奈子の胸ばっか見てんだよ、だって、、、、、もの欲しそぉにぃー」
「えー!、、そうなのぉ?、、、、じゃ、、、あげちゃおっかぁ、、、、、あたしのお乳ぃ」
美奈子が酔った顔で俺を見つめたまま浴衣をはだける。でも、その顔はとてもけなげで恥ずかしそうに見えた。
余裕そうにしてても美奈子は美奈子。小さい時、森で迷った時は街に着いても俺の腕から離れようとしなかった。
潤んだ瞳。そんな目で見つめられたことのない俺は唾を飲み込む。
いつまに成長したのかお椀型のブラジャーに包まれた胸。幼なじみの柔肌。
「ちょ、、、、、み、、美奈子、、、、や、やめろって!、、、、やめ、、、、んっぷ!、、、、んんっ」
俺の頭を抱え、美奈子がふくよかな胸を当ててきた。突然のことだったが、その柔らかい乳房からは彼女の体温が
確かに伝わってくる。テントの中は薄暗く、彼女の表情まで分からなかった。
「どぉ?、、、たっちゃん見てないうちに美奈子も成長したんだよぉ、、、、くるしい?、、、ねぇ?」
「んぐっ、、、、、、ぷぷっ、、、、、、、、んっ、、、、ん、、、、、、くるぷっ!、、ぷ!」
「美奈子ぉ、、、、ホントに窒息しちゃうって!、、きゃはは、、、むぐむぐしちゃってさぁ」
美奈子の大親友、愛子が俺の耳もとで言う。
「美奈子の気持ちさぁ、、、なーんでたっくんわからなかったのぉ?、、、、ずっーと想ってたのにぃ」
そんなことは夢にも思わなかった。ただ、近所で同じ時期に生まれた子。大人になるにつれ、うざったく感じたことも
ある。まさか、美奈子がそんな風に思ってるとは思わなかった。
「愛子、ちょっとやめてよー!もう昔の話しじゃない、、、、こんな奴、好きでもなんでもないしぃ!」
わざとらしい大きい声。恥ずかしさを隠そうとするような大きな声。マジだ。マジで俺のことを好きだ。
浴衣からはだけた美奈子の胸の谷間。その中で苦しむ俺は、今日、この日にキャンプしたことに少し後悔していた。