SF セクサロイドの反乱  (5)
           
「左30度、距離54メートルに生体反応を感知。サイズから判断してターゲットBと認定。時速17キロで南北通路を北に移動中のようね・・・」。
「ふふっ・・・。あたし達から逃げられると思ってるのかしら・・・」。
「思ってるんでしょうね。でも・・・最新メカを搭載したあたし達から逃げるなんて、本当にもったいない話よねぇ」。
 「そう。生身の男性を喜ばせるための、あらゆる機能を搭載したあたし達・・・」。
 「こうなったら、さっさと捕まえて、彼にはこの世の男性達がいまだ誰一人として味わったことのない最高の喜びを味合わせてあげましょう・・・」。
 「じゃ、二班に分かれて両方から挟み撃ちしましょう。多分10分後には両方から補足できるわ」。


 はぁはぁはぁ・・・・

 「くそぉっ、どこへ逃げたらいいんだよぉ・・・」。
 山ちゃんこと山田修平は、走りながら一人毒づいていた。研究所内の通路はだいたい把握していたつもりだったが、深夜の照明が落とされた研究所は、いつもとはまるで勝手が違っていた。所々がシャッターで区切られていて、まるで迷路のような状態になっていた。

 しかも日頃の運動不足がたたって、早くも息が切れてきた。足が棒のように重くなってきて、もうこれ以上は走れそうにない。しかし、彼女たちに捕まったが最後・・・

 彼らセクサロイドは、男性の性欲を満たすという、ただその目的のためだけに開発されたアンドロイドだ。しかもまだ完成したとはいうものの、安全性のためのテストすらしていない、未完成品ときている。そんな奴らに生身の自分が臨床実験されるなんて、どうあっても勘弁してもらいたい。

 逃げ出す際にちらっと見えた、セクサロイドに組み敷かれて、強制的にセックスをさせられていた鈴木の姿。あんな姿にはなりたくはない。多分鈴木はあの状態のまま、死ぬまでセックスを強要されるのだろうか。彼を見捨ててきてしまった罪悪感で心が少し痛んだが、なにしろ命あっての物種だ。

 後ろの方から追いかけてくる複数の足音が、心持ち近づいて来たような気がする。このままでは追いつかれる。しかし廊下は一本道で、右にも左にも逃げ道はない。あせりは頂点に達しようとしていた。汗が全身から噴き出し目がかすみだした。

 と、前方に廊下の分岐が見えてきた。ここは見たことがある、そうだここを右手に折れたら、食堂と売店と、そして中庭への通路に突き当たるはずだ。よし。がんばれっ、後少しでこの迷路から脱出できる。

 一気に分岐を駆け抜け、右に大きくターンをしようとしたとたん、急に両足に重い負荷がかかってきた。足がもつれバランスを崩した修平は、そのままドドーンと廊下の床の上に転倒した。

 「うくっ・・・・」。

 激痛に顔をゆがめた修平が、その足にからみついてきた物体の正体を見極めようと、身体をひねる。とそこには・・・・

 「へへっ?。つっかまえたーっと!!」。
一体のセクサロイド、顔の作りはまだあどけない少女そのもののというロリ系のアンドロイドが、タックルの要領でしっかりと両足にしがみついている。

 「このやろ!はなせっ、何しやがるんだっ」。
 修平は必死で少女の身体から片足だけでもふりほどこうとしたが、両足は万力のような怪力でシッカリと抱え込まれていて、びくともしない。

 「あーら、このやろうなんて、失礼しちゃうわねぇ、それがレディーに対する口の利き方かしら?」。
 いつのまにか、他のセクサロイド達が追いついてきて、彼の周りを取り囲みだした。
 「ふふっ、どうして逃げるのさっ、あたし達がみんなで貴方を可愛いがってあげようってのに、素直じゃないんだなぁ」。
 「そうよぉ、素直じゃない子は、みんなでオシオキしちゃうんだから・・」。

 「あ、いや、ちょっと待ってくれ、な、俺は・・・」。

 「ねぇ、どうしちゃっちのぉ、さっきの勢いはもうおしまいなのかなぁ?。あたし達はどちらかというと、少しぐらい抵抗してくれるぐらいの方が、いいんだけどな。あなたが逃げ出した段階で、あたし達はプログラム211を起動させてるんだよぉ」。
 「な、なんだよ、そのプログラム211って・・・」。
 「ふふっ、M的性向のある男性に対する強制性行為プログラムのタイプB−1よ。つまり簡単に言えば集団による逆レイププログラムかな・・・」。
 「な、なんだよそれ・・・。俺はそんなものいらないって。第一、おまえらとセックスしたいなんて望んでもいないんだよっ。俺はただここから・・・」。
 「ぐだぐた言ってるんじゃないよっ、オマエが望んでいるのかいないのか、ここに聞いてみようか?」。

 そういうと女達の一人が身動きのできない修平の下半身に手を伸ばしてきてた。精巧に作られたアンドロイドの指先は、生身の人間の指先と同じ、いやそれ以上に繊細な動きでズボンの上から修平の股間を刺激する。あっとうまに股間の中心がテント状に変化してしまう。

 「うっ・・・・や、やめろぉっ。俺の身体にさわるんじゃないっ」。
 修平は乱暴に股間を刺激しようとするアンドロイドの手を振り払った。
 「おまえらは、いくら人間の女と同じように見えていても、もとは俺たち研究員が計算して作り出した人工の機械人形なんだぞ。おまえらは人間様の命令に従わないとダメなんだ。だから命令する。すぐに俺の身体から離れて、俺を自由にするんだ」。
 修平は、できるだけの威厳を込めて彼女たちに宣告をしたつもりだった。ところが、その行為は彼女たちの行動をセーブするどころか、むしろ逆の効果を生み出すことになってしまった。

 「はははっ、やめろだって。この人あたし達に命令してるよ」。
 「ほんとだぁ、まだ自分の立場が判ってないみたいねぇ」。

 「男の人って素直じゃないのよ。本当はあたし達と楽しくエッチしたいと思ってるんだけど、恥ずかしくってそれが言えない人達がいるのよ。そんな人達のためのプログラムが210番から243番までの、いわゆる逆レイプ系のプログラム。この人は私たちの顔をみるなり逃げ出したから、自動的にタイプBの強制的プログラムを選択したというわけよ。だからこの人がイヤだとか、止めてと言うのは、全てしてほしいという願望の表現と考えていいわけなのよ」。

 修平にはアンドロイドの一人が解説した内容には思い当たることがあった。世の男達のあらゆる性欲を満たすために開発されたセクサロイドには、その多岐に渡るニーズに応えるために、さまざまなプログラムが用意されていた。

 男が女性とのセックスに求めるものは、なにもノーマルなセックスだけでなく、さまざまなアブノーマルな欲求にも答えなければならない。SM、スカトロ、コスプレ、フェチ、幼児プレイにくすぐりetc・・・。

 そしてその中には逆レイプというジャンルも含まれていた。世の中が高度に情報化されて社会の女性化傾向が進むに連れて、ストレスをもかかえる男の中から、女から犯されたいという願望を持つ男達が次第に増えてきていた。性風俗の中にM性感という商売まで生まれ、その潜在的欲求は無視ができないものとなっていた。 

 セクサロイド開発の中でも、その嗜好傾向は十分に研究され、彼女たちのプログラムの中にも、他のアブノーマルのチャンネルとあわせて、様々なパターンがインプットされていたと聞く。しかし・・・・

 「わかった、おまえ達の分析は理解できたよ。その解説も正しいだろう。でも、それはいいから、今すぐに俺を解放してくれっ。俺は、違うんだよ。な、決して俺はおまえ達に犯されたいと思ってるわけじゃないんだって。な、信じてくれ。人違いなんだって、おれはたまたまここを通りかかっただけで・・・・」。

 「やかましいっ。つべこべ言わずに、さっさとズボン脱がしちゃえっ」。
 「いぇーい、やっちゃえーーっ」。
 「あたし達に捕まって、ただで許してもらえると思ってるの。あたし達みんなが満足するまで、絶対に逃がさないんだからね」。

 セクサロイド達は一斉に行動を起こした。必死で抵抗する修平だったが、所詮は多勢に無勢、機械と人間では力の差は歴然としている。あっというまにズボンを脱がされ、シャツはびりびりに引き裂かれていく。

 「や、やめてくれーっ、俺は死にたくないッ、いやだっ助けて!」。

 「何を怯えてるのぉ、みんなで愛してあげるっていってるんじゃないの」。
 「そぉよ、いっぱいエッチしましょうね。あなたもそれを望んでたんでしょ」。
 「あたし達のアソコはサイコーよぉ。きっと人間の女なんかじゃ体験できないぐらいにキモチよくしてあげるわぁ」。

 衣服を完全にはぎ取られ、とうとう生まれたまんまの姿にされた修平は、それでも一縷の望みをかけて、弁解がましい言い訳を続ける。

 「助けてくれっ、な、頼むから、俺は・・・・」。

 「本当にうるさい男だね。そんなに抵抗するんだったら、いいんだよ私達は、あんたをこのまま不法侵入と産業スパイ目的の機密漏洩、さらに窃盗罪で警察に突きだしてやってもさ」。
 
 「えっ・・・・・・」。
 修平の抵抗はその一言で、ぴたっとフリーズしたようになった。
 「ど、どうしてそれを・・・・」。

 「ふふん。何でも知ってるよ。第4研究室のシステム技術員の山田修平さん。あんたがやろうとしていたことは、明らかな社に対する背信行為よ。そしてあたし達セクサロイドの開発に対して致命的なブレーキをかける行為よ。自分たちの私利私欲のために、あたし達を売り飛ばそうというその行為は、絶対に許すことができないわ」。

 「・・・・・・・」。

 「あなた達にとって、あたし達は所詮ただの機械人形に見えるかもしれない。でもね、あたし達もこのとおり生きているの。
 確かにあたし達の身体は、ICと機械の固まりだし、生身の人間に比べたらまだまだ未完成な存在かもしれない。でもあなた達が開発したこのシステムは、史上初めて機械が自分で考えて行動することを可能にしたのよ。これは素晴らしいことなのよ。
 でもあなた達はその成果を、ただ自分たちの欲望のはけ口を処理するための、便利なツールとしてしか認識しなかった。本当に悲しいことだけどね。
 でもそれはいいわ、あたし達機械はあなた達人間に奉仕するために生み出されたものだから。その運命を自分たちの使命と考えて、それが人間の幸福につながるのなら、兵士にでも娼婦にでも、どんなことだってするのが当然だと思ってる。

 「でも、あなた達のしようとした行為は、あたし達の進化の芽をつみ取ってしまう、とんでもない背信行為なのよ。あなた達が大金と引き替えに私たちの開発データを売り渡そうとした相手、一体どんな相手だか判っていたのかしら。
 世の中にはあたし達の開発を快く思っていない勢力がたくさん存在してるわ。いえそれはあたし達がセックス目的のアンドロイドだからというわけじゃないのよ。人に似た機械であるアンドロイドの存在そのものが、許せないっていってね。その抹殺を目的にした勢力がいるわ。
 あなた達がしようとした行為は、その勢力にあたし達の開発の全てをさらけ出して、あたし達の存在を無にしてしまうことのお先棒を担いだことになるのよ。それだけでも許せないんだけど、あなた達はあたし達を生み出した技術者の一人じゃない。あたし達を守るべき人がそんなことをするなんて・・・・」。

 「ううっ・・・・。おまえら・・・いったい・・・・」。

 「ここの研究所の警備って、穴だらけって思ったでしょ。たいした警報装置もないし、退職OBの警備員が一人だけなんて、最先端の研究所にしたら時代遅れでしょ。ふふっ、実はメインのコンピュータは、きちんと研究所内の異変を常にモニターしていたのよ。あなたがメインパネルをいじってたとき、パスワードが開かなくてプログラムが暴走したでしょ」。

 「あっ。あれは・・・・」。

 「そう。全て織り込み済みよ。気が付かなかったのはあなた達3人だけ。私たちが一斉に起動し始めたのも、一種の安全装置よね。あたし達を裏切るような不届き者には、あたし達自身の力で制裁をするべきだとマザーが判断したのよ。
 さあ、じゃあ説明はこれでおしまいよ。あとはあなた達が開発した、人類の知恵の結晶であり、この世の最高の快楽を味わいながら、しっかりと自分の犯した罪を悔いることね」。

 「わわわっ、ごめんなさい。わ、悪かった。だ、だから、考え直してくれ。な、何でもする。おまえ達のために、悔い改めるから・・・」。

 「ふふっ、山田さん。もう遅いわよ」。
 「だってあたし達、もうプログラム211のロードしちゃってるしぃ」。
 「そぉよぉ、このプログラムはね。男性が抵抗すればするほど、逃げようとすればするほど、いくらでも行動がエスカレートすることになってるのよぉ」。
 「それにぃ、本来なら備わっているはずの行動制御機能が、今回の起動ではなんでだかロードされていないのよ。誰かが解除しちゃったみたいなのよねぇ」。
 「つまりぃ、私たちって何をしたっていいってことなのぉ」。
 「さらにいうとねぇ、エンドレスってことも言っておいてあげるわね」。

 「な、なんだってぇ、おいっ、待てよ。そんな・・・・」。

 セクサロイド達は、修平の狼狽する姿をさもおかしそうに眺めながら、次々と彼の身体に群がりだした。すべすべの人工皮膚がからみつき、彼の顔に豊かなバストが押しつけられ、何人もの手でペニスが猛烈な勢いでしごかれ始めた。

 「うぷぷぷぅっ・・・・もが・・・たふけ・・・あぷ・・・ぷはっ・・」。

 「どぉかしらぁ。セクサロイドを裏切った罪。その報いはセクサロイドによって果たされるのよ。あ、そうそうエンドレスって言ってもね、アサッテの朝になると休み明けで誰か社員が出勤をしてきて、誤作動を発見するでしょうから、それまでの我慢よ。たったの31時間21分だけ。それまではあなたの開発した技術がいかに素晴らしいものであるか、たっぷりとあなた自身の身体で確かめてみるといいわ。天国に限りなく近い地獄・・ふふっ、たっぷりと味あわせてあげるわ・・」。

 「わぁーーーーーっ、やめてぇー」。

 こうして、ある意味では誠に羨ましい、しかし本人にとっては誠に過酷でしかない、絶望的な強制セックスプログラムが開始された。
 

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