逆援助交際の男     (その3)

 
  「はははっ、なんかへんな感じですね。本当に手も足も動かないんだぁ」。
 俺は半分照れ隠しもあって、ナツミさんを見上げながら笑った。
 「でしょ。今もうキミは絶体絶命のピンチに陥ったのよ」。
 俺を見下しながらナツミさんが答える。

 ナツミさんはすでに部屋着に着替えていて、上は薄いキャミに下はミニスカートというスタイルだ。キャミの薄い布地を通して彼女の豊かなバストが迫り、ミニスカートの下にはノーパンのはずのアソコが今にも見えそうで見えない。絶体絶命なんて言われても、俺の方はそんな緊張感のかけらもなく、眼前に展開するこのエッチなシチエーションを楽しんでさえいたのだ。

 「さてっと、これで準備完了ね、ガロさん」。
 「はいっ、どうぞ。もう僕ごらんの通り、全く身動きできませんから・・・。ナツミさんのお望み通りに、好きなようにしちゃってください」。
 「ふふっ、いいのね。じゃ、始めるわよ」。

 ナツミはにっこりとほほえむと、俺の眼前に顔を近づけ、いきなりキスを求めてきた。彼女の熱い舌が俺の口の中に進入してきて、俺の口腔内をなめ回す。条件反射的に俺も舌を彼女の舌に絡め応える。普段ならば手を彼女の首筋に回して抱きしめるてあげたいところだが、今回は手足を拘束されているのでそれができないのがもどかしい。

 女の子にとってキスは愛を確かめるための大切な儀式だ。俺は今までの経験の中で、キスの成否によって女の子の性感の高まりが変化することを学んでいた。受け身の状態とはいえ、俺はできるだけ丁寧に彼女のキスに答えてあげた。まるで最愛の恋人とのキスのようにして。

 彼女の息がしだいに荒くなり、俺の首に回した手に力が入る。ますます強く唇を押しつけ俺の唇をむさぼる。ううっ、彼女のキスのテクニックもなかなかのものだ。負けそう・・・。いつの間にか俺自身も異常に興奮して、下半身が熱く勃起を始めていた。と同時に
呼吸困難で意識がもうろうとしてきた。

 「ぶはぁぁっ・・・」。
 永遠に続くかと思われた長いキスが突然に終わる。彼女が唇を解放してくれたことで、窒息寸前だった俺は生き返った。新鮮な空気を肺の奥へ一気に吸い込んで、ゲホゲホっとむせ返る俺。

 こんなに情熱的なキスは俺にとっても初めての経験だった。まさに彼女に体内の生気の全てを吸い出されるかのような感覚だった。こりゃあ本当に精液と一緒に命までも搾り取られかねないな、俺はそんな予兆を感じながら彼女の次の行動を注視した。

 「ふふっ、キミって予想通りの人だったわね。気に入ったわ」。ナツミが意味ありげに俺に向かってウインクする。まだ荒い息をしながら俺もそれに答える。
 「そ・・・そうですか・・。気に入ってもらえて光栄です。ほんとにナツミさんって見かけによらず情熱的な人だったんですね」。
 「ふふっ・・・。でね、あと・・・もうひとつお願いがあるんだけどな」。
ナツミが甘えた声を出す。

 「はいはい、いいですよ。何だってしてください。こうなったら覚悟決めましたから。どんなコトだって、つき合っちゃいますから・・・」。
 「ふふふっ・・・・ア・リ・ガ・ト」。
 ナツミはにこりと笑うと、ベッドの下からアイマスクを取り出してきた。
 「これをつけてもらうわね。じっと見られたりしたら恥ずかしいから・・」。

 俺は彼女のされるがままにアイマスクをつけられた。目の前が真っ暗になって何も見えなくなった。何も見えないことで確かに不安な気持ちにもなったが、これからの起こることへの期待の方が大きかった。さっきのキスでまだ頭がボーッとしたままだ。

 暗黒の世界の中で何かが動いている音がする。
 さわさわという衣擦れの音。ナツミさんがブラをはずしているのだろうか。
 ギギーッというドアかクローゼットかを開けたような音。そしてまた衣擦れの物音。ナツミさんが何かの衣装に着替えているのだろうか。ボンテージルックなどを身につけて?ははっ、なんか本格的だな。

 「ねっ、ナツミさん・・・」。
 俺は呼びかけたが答えがない。相変わらず室内には衣擦れの音や、床を歩いている音、物を動かしているような音が響いているだけだ。

 「ナツミさん、ねっ、何してるんですか?」。
 「ふふっ、くすくす・・」。女の子の笑い声がする。

 あれっ、ナツミさん。他に誰かいるの? 俺がその疑問を口にしようとしたとたんに、ペニスになま暖かいものが被さってきた。

 「あああーーーっ」。予想外のことに、思わず女のような声を上げてしまう。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ・・。俺の男根になま暖かいぬるぬるとした感触がまとわりついてきた。
 
 「ううっ・・・」。これはたまらない。どうやらナツミさんにフェラチオされているようだが、目をふさがれているために、身体の受ける感触は何倍にも増幅されて脳の中枢を刺激する。このままではあっというまに暴発してしまいそうだ。

 「ああっ、ナツミさん、ううっ・・・すごい刺激ですっ、もう、あうっ・・・、これだけでイっちゃいそうですよ」。
 俺は身をくねらせて、彼女のジャブから逃げようと試みるが、手足を縛られているので思うように彼女の攻撃をかわすことができない。そうか拘束プレイってこういうことだったんだ。まさに「犯される」という感覚が実感として伝わってくる。

 「だめよ。我慢しなさい。もしもこれだけでいっちゃったりしたら、絶対にに許さないからね。この部屋から生きて出たいと思ったら我慢することよ」。
 さっきまでの優しかったナツミさんの声が、まるで女王様ように響く。しかし下半身はもうとても我慢のできる限界を超えようとしていた。一瞬でも気を抜いたが最後、あっという間に噴き出してしまいそうだ。

 「ううっ、ナツミさん、ちょ、ちょっと休憩、タンマ・・・だ、だめですって、そんなに激しくしたら、すぐにいっちゃいますぅ」。

俺は悲鳴を上げながらも、必死で括約筋に力を入れて我慢をする。こんなに簡単に射精させられたのではせっかく俺を選んでくれたクライアントに申し訳が立たない。「逆援」のセミプロの意地にかけても、ここはなんとしても頑張らないといけないのだ。

 とそのとき、新たな刺激が襲いかかった。アイマスクをされた俺の上半身にぷるぷるとした、量感のある肉のかたまりがのしかかってきたのだ。ン?なんだ、これは・・・・。
その感触はどう考えたって女性のバストの感触。固くとがった乳首の感覚までもよくわかる。でもナツミさんは今、俺の下半身をフェラしてくれていたんじゃ?

 「ちょっ、ちょっとナツミさん、だ、誰かもう一人いるんですか? うっぷっ、これっておっぱいなんじゃ・・うふぷ・・」。

 俺がしゃべろうとするのを遮るようにして、そのおっぱいらしき柔らかい肉の感触は、顔の方に移動してきて俺の口をふさぐ。ぷーんと甘酸っぱくて官能的な女性特有の体臭が鼻孔をくすぐる。乳首らしき突起部分が俺の口の中に進入してくる。うっ・・・、俺はわけもわからないまま半ば条件反射的にその乳房に舌をはわせて愛撫する。

 「あっはーん・・・」。明らかにナツミさんの声とは違う、別の女性の声が漏れる。あれっ、ひょつとしてこれって、エリさんじゃ・・・。

「ふふっ・・、ちゃんとなめるのよ。歯を立てたりしたら承知しないんだからね」。

 この声は?・・そうだ、やっぱりエリさんだ。なるほど何か準備があるといってたけど、その用事が終ったんで戻ってきたんだな。ということは・・・やはり今晩は予想通りナツミさんとエリさんと3Pができるというわけだ。

 今回はベッドに縛り付けられているので、俺のテクで彼女たちを存分に攻めることはできないけど、それはそれでいいか。こんな美人をふたりも一度に味わえる機会なんてそうそうあるものじゃない。たっぷりと楽しませてもらおうか・・・。

 ううっ・・・しかし全くの受け身というのが少しつらいな、こっちでは全くコントロールがきかなくて、ただ一方的に責められると・・・。

 「うぷっ・・・あの、エリさんでしょ・・・うっ・・あ、ち、ちょっと・・・」。
 ぴちゃ、ぴちゃっ、じゅるっ、じゅるっ・・・・
 ナツミのフェラチオとエリさんのパイズリ、二人の美人から責められていると考えだけで、俺の興奮曲線は一気に臨界点を越えてしまった。もう一秒たりとも我慢などすることはできそうにない。

 「ああああーっ、だめっ、な、ナツミさんっ・・ごめんなさい、もうだめですぅぅーーーっ。あああっ・・・」。

 俺は身体を大きくエビぞらして、ナツミさんの口の中(と思われる)に大量の精液を噴き上げてしまった。逆援のプライドもなにも、ペニスに食らいつき、ほおばり、なめ回される快感と、顔の一面を覆い尽くす弾力性のある感触と芳香という、ダブル攻撃にさらされたならば、どんな男でも我慢し続けることなんて不可能だと思う。

 俺はこの至福の快感に身を任せて、この日の最初の噴出を遂げた。
 しかしこの時点での俺は、美女二人と一晩中エッチができるという楽観的な考えだけしかなく、このあと自らに降りかかってくる不運のことなど想像もしていなかった。俺の人生の中で最も甘美な、そして過酷な「長い夜」が今始まろうとしていた。

 つづく
 

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