性犯罪根絶法第31条

                                               その7

 
 いつのまにかメスカマキリの親分のような裁判官は退廷しており、職務に忠実な二人の刑務官も法廷内に外部からの進入を防ぐためドアの外に出て歩哨に立っている。弁護人席ではまだ経験の浅い若い新米弁護士が、さっきからもぞもぞと体を動かしながら、傍聴人の女達による被告の男に対する狼藉を凝視している。

 「どうしたんだい。あんた矯正行為を見るのは初めてなのかい?」。

 検察官席からその様子をニヤニヤしながら眺めていた検察官が声をかける。

 「はい。実は始めてみました・・・」
 若い弁護士は消え入りそうな声で答える。萌葱色のスーツ姿がいかにも初々しい。まだ女子大生だと言っても通りそうな若々しい可愛さが全身から沸き立っていた。

 「唯ちゃんだっけ? あんた性犯罪法の法廷経験も初めてなんだってな。ということは・・・無理もないな。どうだい、びっくりしただろ」。
 
 向かって右側の検察官、濃紺のスーツに銀色のめがねをかけた、いかにもキャリア検事という風貌の検察官が声をかけると、左側の、こちらは少し小太り気味の愛嬌のある検事が関西弁のイントネーションのままで続ける。

 「そうやろ、私達かて初めてみたときにはびっくりしたわ。神聖や言われてる法廷の中で、こんな事が公然と許されてるってな・・・。まっ、これもみんな男っちう、どうしようもなくスケベでだらしない動物を、まっとうな人間にするためのもんや思て、割り切るしかないわな・・・。ところであんた、我慢できひんようになってんのとちゃうん?」。

 そうなのだ。唯のアソコは初めて目にした矯正行為によって、いつのまにかぐっしょりと濡れていた。さっきから無意識のうちに腰をもぞもぞと動かしながら、それを悟られまいと我慢し続けていたのだ。

 「ふふっ。若いな。いいんだよ。好きなように振る舞ったって・・・」。
 「そやそや。ちゃんと刑務官が見張ってくれてるから、なんも恥ずかしがることあれへん。弁護士バッジはずして、好きなようにあそこの中に混じったらエエねんて」。

 「えっ・・でも・・・」。
 そう言われても、まだ戸惑いを見せている唯に、新米の頃の自分を重ねながら、検事の二人はふっと目をみあわせす。

 「ほな、玲子さんうちらもそろそろ混じらしてもらおか?」。
 「そうね、麻美さん、そうしましょうか」。

 そういうと二人の検事、玲子と麻美は、すっくと立ち上がると、恥ずかしがることもなくスカートは履いたままで、下着ごとパンストをスルッと脱ぎおろした。

 彼女たちは脱ぎ捨てて丸くなった下着を、それぞれのブリーフケースの中にそっとしまうと、そのまま弁護士席までやってきて、唯の手を取った。玲子は優しいほほえみを絶やすことなく宣告する。

 「ふふっ。さっ、覚悟なさいね。あなたも有罪判決は聞いたでしょ。だったら刑の執行には立ち会わなきゃね」。
 「そうやよ。ここで逃げ出したりしたら、あんたは女のテキを許したと言うことになってしもて、これから弁護士として仕事できへんようになってまうよ。なっ、早うこっちに来て、来てっ」。

 ふたりに手を引かれるようにして、唯は女達の集団の前に立たされていた。ここまできたら彼女も覚悟を決めるしかない。

 「わかりました。そうよね。女の敵なのよね、こいつは!!」。
「そうよ。この男は、女性を性欲のはけ口としてしか認識できない欠格者なの。だから私達女性が、女の武器でもって矯正するしか方法がないのよ。わかるわね」。
 「はい。そうですね」。

 唯がこっくりと納得したかのようにうなづくと、そばにいた麻美が女達の集団に向けて大声を張り上げた。

 「はーい。みなさん、お取り込み中やけど、ちょい待って。まだまだ時間はあるから焦ることはあれへんねんねんけどな、実はこの弁護士のお嬢さん、今日が矯正行為の初体験やそうやねんて。せやからな、一番手はこのお嬢さんに譲ったってもらわれへんかなって・・・・。なっ、どうやろお願いでけへんやろかなぁ」。

 一斉に振り返る女達。その気迫に思わず唯が後ずさる。

「へえーっ、この人弁護士さんのくせに、羞恥刑の立ち会いするの初めなの?」。
 女達のうちの一人が驚いたような声を上げる。

 「どうやらそうらしいのよ。皆さんゴメンナサイね」。
 玲子が間髪を入れずに、彼女達に対して頭を下げる。それにつられるようにして、唯までもが一緒に頭を下げた。
 「みなさん、どうもごめんなさい」。

 それにつれてさっきまでの険悪なムードが消し飛んで、みんなのフンイキが一斉に柔らかく和んだ。

 「ふふっ、初めてだったら仕方ないわね。私はオッケーだよ」。
 「うん。あたいもいいわよ」。
 「賛成。私も・・・」
 「ふふっ、そっかあ、初めてかぁ・・・」。
 「まさか処女じゃないでしょうね」。

  女達が口々に言う。女達はこの弁護士と検察官の三人を受け入れて、今日の一番手をこの若い弁護士の女の子に譲る気になった。
 
 「ごめんなさい・・・」。再び唯が頭を下げる。

 「じゃ、早速やっちゃって。ほらアソコはもうビンビンになって、いつでもオッケーになってるからさ」。
 「ふふっ。この弁護士先生って若いから、きっと激しいんだろね」。
 「思いっきりやっちゃってよ、遠慮なんかいらないんだからね」。
 「でも・・・私達にも残しててよね・・」。

 共犯者意識というのだろうか。女達は一斉に道を空け、あわれな生け贄の前に彼女を誘った。唯の目の前にはさっきまでもみくちゃにされ、翻弄され続けていた男が、全身拘束具に包まれたまま、アソコだけをピン立ちさせたままで横たわっていた。

「さっ、思い切ってやっちゃいなさいよ」。

 玲子の声に促されて、唯は行動を開始した。玲子達のようにスカートははいたままで、下半身の下着だけを脱ぎ捨てる。ピンク色のかわいいパンツをするりと脱ぎ捨てると、それを右手に取った。

 
つづく

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